DJ西尾のひとりごと|日常はプチハッピーにあふれている♪

琴線に触れる

こんにちは、DJ西尾です。

2009年、日テレ夏イベントは夏祭りをイメージする「ワッショイ」というテーマで、7メートルの高さがある、やぐら上での会場MCをハチマキに法被姿で担当していました。

トークと音楽にプラスして、エンディングでは「和太鼓」がやぐら上にセットされて、飾りではなく私が実際に打つ企画です。(笑)

 

太鼓の経験は、船首部分に和太鼓が装備されているドラゴンボート競技で漕ぎ手のリズムを取る為に打った程度でした。

エンディング内容は、和太鼓の音でだんだんと会場内の人がやぐら周辺に集まり、頃合いを見て音楽に切り替え、来場者とスタッフが一緒になって踊る。
どんな和太鼓の音が必要かを考えました。


・今日のイベントの終わりを告げる太鼓。
・人が集まりたくなる太鼓。
・集まった人が心地よく踊りたくなる太鼓。

この3点を考えながら連日約30日間打ち続けました。

 

筋肉痛から始まり、バチを握る手は皮がめくれて絆創膏が増えましたが、背筋の盛り上がりと比例して演奏時間も長くなり最大2分半になっていました。
おかげ様で、会場内にも合いの手の声や手拍子が出るほど盛り上がりが生まれていた気がします。

 

開催も残りわずかになったある日、やぐら上でのMCを終えて広場に降りて来た時です。
大人の女性に声をかけられました。

「連日MCと太鼓をご苦労様です。先日、車イスに乗った母親と一緒に散歩がてら会場を訪れました。太鼓の音に誘われてやぐらが見える柱の陰で車イスの母親と一緒に最後まで見て、帰り際やぐらの上から笑顔で手を振って下さりありがとうございました。
自宅に帰った翌日、大病を患ってから話す事も歩く事も出来なくなっていた母親がトントントン!トントントン!と楽しそうに口ずさんでいるのです!
その姿を見た私達家族はみんなで泣いて喜びました。
母親がなぜ口ずさんだのか?どんな昔の思い出と重なったのか?はわかりませんが、キッカケは先日ここで聞いた太鼓です。
母親の反応そして、私達家族の喜びを作ってくださりありがとうございます」

と御礼を言われました。

私の和太鼓演奏が知らぬ間に、ひとつの家族の喜びをお手伝いしていたみたいです。

 

経験値や技術が未熟でも、思いやりや意図を強く持った言動は人の琴線に触れるエネルギーがあるのかも知れませんね♪

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